和傘についているかっぱのひみつ  

といいながらカッパの中身の解説だったりします。
和傘の特徴の一つにはカッパと呼ばれる部分品があります。

雨具として造られている和傘の頭の部分には、菱形にたたまれた布が取り付けられています。
これは、カッパと呼ばれる部材です。
蛇の目傘、番傘など、当店で販売している製品がそうです。
一見するとただの飾りの様にも思えますが、実のところはどうでしょう。
これは単なる飾りなのか、それとも何か重要な意味があるのでしょうか。
このコーナーではこのカッパとその中身の秘密を覗いてみましょう。




カッパにはつり紐が結ばれています。

蛇の目傘の場合、
持ち歩くときや、どこかにぶら下げるときには、この紐でつり下げます。
一見簡単に縛ってあって、ちょっと引っ張っただけでも抜けそうで心配ですが、
この縛り方も日本古来の紐結び、
引っ張るとその力や傘の重さで口が締まり、簡単には抜けないようになっているのです。
すばらしきかな 先人の知恵 です。
蛇の目傘の頭にはつり紐がついています。 簡単に抜け落ちない縛り方ですので安心

和傘の構造で、一番頂上の部分には、頭ろくろと呼ばれる部品が有ります。
木でできている、歯車のような部品、傘骨をつなぐ大本となる部品です。
傘を開いた時に中棒の一番上に見える 骨の集まっている部分ですね。
でも、カッパを外しても外から見ることはできません。
骨の集まっている部分品がろくろと呼ばれます。 開いた蛇の目傘を見上げたところ。骨の中心が頭ろくろです。
閉じたときにはこうなっています。 頭ろくろ これの対になるのが手元ろくろと呼ばれます。
写真左上: 番傘のつなぎ−番傘の骨を繰り込みと呼ばれる 中棒にろくろを組み込んだ部品を糸でつないだ物です。
写真右上: 傘を開いてしたから見上げたところ 白い骨の集まっている部分が頭ろくろです。
写真左下: 羽二重傘のつなぎ−この骨に紙を貼って傘に仕上げます。
写真右下: 蛇の目傘のろくろ−細かい溝の切られた複雑な部品 傘を支える要です。

カッパを外すと実際にはこうなっています。

カッパを外した状態の蛇の目傘
先の写真の様なぎざぎざや骨のつなぎ目は紙で包まれて見えませんね。
頭ろくろの中程まで漆がかかっているのも判ります。

開くと外周部がせり上がって来ます。
この上の写真の骨の集まっているところに注目してください。
写真の傘は紅の蛇の目傘ですが、
骨の先の円周状に白く色の違う部分が有ります。
これは菊紙 天井紙の上に重ねられ、頭ろくろとの隙間を塞いでいます。
頭ろくろの周りも紙が覆っているのが判ります。
でも 傘を閉じた状態の写真と開いた状態との違いは判りますか?
そうですね。 この漆のかかっている部分が傘を開くと
せり上がって山のようになっているのです。
これはからまきといって紙の隙間から雨が漏れない様に覆いながらも
動いて傘の開閉を妨げない という防水ブーツの役目を果たしている仕掛けです。


和傘を立て置く時の向き

手元の先には石突きがあります。 蛇の目傘を壁などに立てかけるときや地につける場合には手元を下にしてこのカッパの部分は上にする
というのが正しい置き方(立て方)です。

和傘は、洋傘とは違い閉じたときに開かないように留める紐がついていません。
頭を下にして立てると開いてしまいますので、場所もとりますし、邪魔ですね。
引っかけて倒してしまうかもしれません。
(もっとも手元を下にしてもバランスが悪く倒れやすいのも事実ですが)

カッパに傷がつくと、そこから直に雨が入り込みおもしろくありません。
また、からまきの付近もあまり水が入り込むと柄竹を伝って水が垂れてくることもありますので、なるべく頭を上にした状態の方が良いのではないかと思います。




使った後にはお手入れをお忘れなく。
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